皆さんは株主優待を受け取ったことはありますか?
株主優待がある銘柄は、権利落ち日に一時的に株価が下落することが少なくありません。
これは株主優待の権利を獲得した大勢の株主が、翌日には手放したいと売り注文を出すために発生します。
株主優待を貰えても、株価が下がってしまうことで損失が発生することはリスクですよね。
ただ、この損失リスクを下げながら、株主優待を受け取れる投資手法があることはご存じでしょうか?
今回は、株主優待を低リスクで獲得する「つなぎ売り」の投資手法をご紹介します。
私の投資経験が参考になれば幸いです!
目次
つなぎ売りとは
つなぎ売りとは、株価の値下がりリスクを抑えて、優待を獲得する投資手法のことです。
実際の取引では、投資対象の銘柄を現物取引で買い、信用取引で売り建てを行います。
投資資金は貴重だから、株価の値下がりリスクは極力抑えたいよね。
つなぎ売りの3ステップ
つなぎ売りは、下記の3つのステップ取引できます。
- ①証券会社にて信用取引口座を開設する
- ②信用取引が可能な銘柄を選び、「現物買い」と「信用売り」を同日に行う
- ③株主優待の権利が確定後に現渡で清算する
以降、3つのステップについて順に解説します。
①証券会社にて信用取引口座を開設する
信用売りをするためには、証券会社で信用取引口座の開設が必要です。
口座は無料で簡単に開設できます。私は普段、手数料の低さから楽天証券、SBI証券、松井証券を利用しています。
証券口座をまだ持っていない方は、先に開設の申し込みだけ済ませてしまいましょう。
中でも松井証券は、1日の約定代金合計が50万円以下の場合は売買手数料が0円なのでおすすめです。
②信用取引が可能な銘柄を選び、「現物買い」と「信用売り」を同時に行う
信用取引で「信用売り」できる銘柄は、制度信用取引の場合には取引所が選定した「貸借銘柄」、無期限信用取引もしくは短期信用取引の場合は各証券会社が指定している銘柄のみです。
全ての銘柄がつなぎ売りできるわけではないため、事前に確認するようにしましょう。
東証の寄場までに、「現物買い」と「信用売り」の同数を成行注文します。
こうすることで、東証開場後に買建と売建が同価格で約定することができます。
③株主優待の権利を確定後に現渡で決済する
権利落ち日以降に「現渡」取引で決算します。
ちなみに「現渡」とは信用取引の決済方法のひとつで、手元に元々ある、もしくは他の方法で取得した同銘柄・同株数の株式を差し入れて決済します。
つなぎ売りの銘柄は、株価が下がっても現物の株価が下がった分だけ空売りで利益が出るから、損益が相殺される仕組み。結果として、手数料を払う引き換えに、株主優待が受け取れるってことだね。
株主優待つなぎ売りのコスト
つなぎ売りは株主優待の銘柄を売り買いする取引のため、「売買手数料」や「貸株料」といったコストが必要です。
主な取引コストを下記にまとめました。
項目 | 概要説明 |
---|---|
売買手数料 | 投資家が株式等の売買を、証券会社を通じておこなう際に、証券会社に対して支払う委託手数料のこと。 |
信用取引の貸株料 | 証券会社から株を借りるために支払う費用。貸株料=(新規売り金額×年利×日数)÷365(日) |
逆日歩 | 売り方が買い方に対して支払う費用。制度信用取引において、市場で貸借される株式等が不足すると発生。逆日歩が発生した場合、信用売りをしている人は逆日歩を支払うことになり、銘柄によっては多額の逆日歩が発生することもあるため注意が必要。 |
配当金の受払い | 配当金相当額として調整処理された金額で、権利確定日を跨いで「現物買い」か「信用売り」を建てている場合に発生する費用のこと。 |
株主優待つなぎ売りの注意点
株主優待つなぎ売りの注意点として、「逆日歩」の発生が挙げられます。
逆日歩とは、制度信用取引の際に貸株残高が多くなった(信用売りをする人が増えた)銘柄を空売りする際に支払う、株のレンタル料のことを指します。
人気の銘柄を制度信用取引でつなぎ売りする際には、高額な逆日歩が発生することも珍しくないため特に注意しましょう。
おわりに
今回は株主優待つなぎ売りの手法についてご紹介しました。
株主優待を低リスクで獲得できるため、ぜひ挑戦してみてくださいね。
*本記事は個人の見解です。投資判断はご自身でお願いします。